虫歯治療  虫歯というと皆さん学校などで下のようなイラストを見て勉強した記憶はありませんか？ このイラストは虫歯の進行具合でC0〜C4まで段階的に区別していることを示したものです。 このように区別することに何の意味があるの？と思われる方もおられるかもしれません。 実は、このクラス分けは歯医者さんで受ける治療内容にかかわってくるのです。 以下、簡単に説明をしておきます。 C0（経過観察歯） 　　歯の表面のエナメル質が透明感を無くして白墨（チョーク）のようになっている状態で、 　　まだ症状が無く、穴も開いていない状態です。 　　このときは、十分な歯磨きやキシリトールを応用すると、お口の中で再石灰化の力が 　　働いて元の健康な状態に戻すことが出来ます。 C1 　エナメル質が溶けて浅い穴（う窩）が出来た状態ですが、症状は出ません。 　歯をよく磨いても回復の見込みはありませんので虫歯の部分を取り除いて、代りに樹脂や 　金属を詰めて治療をします。 　麻酔を使わなくても痛みを感じることは有りません。治療も１回で終わることが多いです。 C2 　C2は、虫歯がエナメル質の下の象牙質にまで侵攻したもので、甘いものや冷たいものが 　しみたりします。一般的に象牙質は、痛みを感じる所なので、治療においては麻酔を用いる 　ことが有ります。虫歯の部分を取り除いた後、金属や樹脂のつめものをして回復します。 C3 　C3は、虫歯が象牙質も破壊してしまい、歯髄にまで達したものを言います。 　症状は、歯髄への感染の程度により、あまり痛みの無いものから激しい痛みを伴うものまで 　さまざまで、我慢強い方が断念して歯医者通いを決意されるのもこの頃です。 　激しい痛みを通りすぎると、歯髄が完全に死んでしまうため一度痛みが消失しますが、今度は 　歯髄を通りすぎて歯の外（歯根膜や歯槽骨）にまで炎症が広がるので、腫れを伴った更に激しい 　痛みを経験することになります。（痛み止めを呑んでも効かないことが多いです。） 　ちなみに、この時点で歯科に来ていただいても麻酔は打てません。打てば麻酔が効くどころか 　さらに痛みや腫れがひどくなる可能性があるからです。歯が当たらないように削ったりお薬を 　飲んだりして炎症が引いてくるのを数日待っていただくことになります。 　数日たって炎症が引けば、いよいよ本格的な治療が開始できます。治療には、麻酔を使用する 　ことも可能ですが、歯髄が既に死んでいる場合は麻酔なしで治療することも有ります。 　また、以前の治療で歯髄（歯の神経）を除去した歯が再び虫歯にかかったときもC3に属します。 　C3は、虫歯による歯の欠損が大きいので、最終的にはかぶせものにより噛めるようにします。 C4 　C4は、虫歯により歯の頭のほとんどが無くなってしまっただけでなく、歯の根っこまで虫歯に 　犯されてしまったものを言います。こうなると、歯を残すことは困難で残念ながら抜いてしまう 　ケースが出てきます。 　歯を抜いた後、傷痕が消えるまで最終的な治療にかかれないので、治療期間が長くなります。 　通常、２〜３か月待ってから入れ歯やブリッジといった治療に取り掛かります。ですから、虫歯を 　見つけたら1日でも早く治療を開始されるようお勧めしたいです。 このように虫歯の進行段階によって歯科で行われる処置内容や治療期間、費用などおおきく 変わってまいります。 特にC3以降の段階になると腫れたり痛みが伴ったり、治療回数や期間が伸びたり・・・ C2までの治療とはガラッと変わってくるのです。ですからC2の段階までに来院していただくのが よいのが分かると思います。 しかし、これらのことを理解しても、実際に自分の歯がどの段階なのか分かる人はそういないと 思います。虫歯かな？と思ったら早めに歯科に受診してドクターに診断してもらうことをお勧め します。 そしてどんな治療が必要でどのくらいの期間通わなくてはならないのか、 実際に治療を受けてみて、お口の中でどんなことをされたのか、 虫歯治療に限りませんが歯科医院で受ける治療にはわからないことが沢山あろうかと思います。 そんな不安や疑問に出来るだけお応えしながら、安心して治療に通っていただけるように 当院では以下のことに気を付けながら治療を進めていくように心がけております。 �@虫歯の状態を把握してもらう 　レントゲンはもちろん、口腔内カメラや手鏡など使いながら実際の虫歯の様子をお見せ 　しています。 　歯と歯の間などそのままでは見えない所に隠れている虫歯も、治療過程でお見せできる 　段階になればお見せしています。（希望されない方にはそのまま治療を進めています） �A治療の方法や手順、回数もお教えします 　�@の状態をふまえ、どんな治療方法があるのか、どんな材料で詰めるのか、かぶせるのか 　一通り説明させていただきます。選択肢を提示できる場合には患者さんに選んでもらいながら 　治療を進めてまいります。 �B治療費のお見積もり 　高額な治療では必ず行っておりますが、そうでない治療でも気軽に聞いていただければと 　思います。 �C治療後の状態を把握してもらう 　治療が終了した時点で必ずその状態をお見せするようにしています。 　万が一、満足いただけないような場合でもその後の調整や、やり直し治療も積極的に 　行っております。 �D虫歯治療が終わったら・・・ 　はい、卒業！さようなら〜。といきたいですよね。（笑） 　患者さんの希望であればそれでもいいのですが、「どうしてそこを虫歯にしてしまったか」を 　考えてほしいのです。歯ブラシが出来ていなかったのか、口呼吸など生活習慣に原因がある 　のか、はたまた歯ぎしりで歯が欠けたのか・・・。 　こうしたことを振り返り、これからのトラブル防止に活かしていただきたいと思います。 限りある時間の中ではありますが、出来る限りみなさんにご理解いただけるように説明を くわえながら治療を進めていけるよう、努めております。 皆さんの方からも分からないことや、ご要望等ありましたら気軽にお声かけください。